ASD(自閉スペクトラム症)による受給事例
概要
傷病名 | ASD(自閉スペクトラム症) |
病歴 |
出生児に異常は見られなかったが、幼児期は同じ遊びを繰り返していた。絵を描くことが好きで、車の絵ばかりを描くことや、一人でレゴブロックで遊ぶことが好きであった。幼稚園では追いかけらて殴られるなどのイジメにあうようになる。 小学生になり、母に学校の準備や忘れ物がないか確認してもらっていた。普段から宿題をやらず、夏休み期間中の宿題は全部溜めていた。また授業には集中できず、理解もできなかった為、教科書の隅に絵を描いたり、いつも寝て過ごしていた。 当請求人に対し母は「成績が悪い」「兄弟と比べてできないことが多い」「すぐ怒る」等の違和感を覚え、医療機関の受診を決意した。 12歳で初めてA病院を受診。しかし診断名が付かなかったため、数ヶ月で通院を中断。 14歳でB病院を受診。ここでも診断名が付かなかったため、数ヶ月で通院を中断。 高校生になり、Cクリニックを受診。しかしここでも診断名は付かず、症状の改善も見られなかったため、数ヶ月で通院を中断。カウンセリングと薬を処方されたが、薬を服用すると気分が悪くなった為、服用をやめたしまった。 18歳でD病院を受診。ここでもすぐには診断名は付かず。しばらく通院したが中断。 21歳でEクリニックを受診。数ヶ月で通院を中断。 32歳A病院への受診を再開。定期通院を経てASDとの診断を受ける。通院を継続している。 現在は、家族と同居しており、家族から多くの支援を受けて生活している。仕事は就労支援施設A型事業所にて期間限定で働いている。 |
当事務所の対応 |
初診日が20歳前のため、20歳前傷病となります。 断続的ではありますが、いくつか医療機関に通院していたため、まずは障害認定日に遡っての請求が可能であるかを検討しました。20歳前傷病では、本来20歳前後3ヶ月以内の診断書を入手しなければなりません。しかし20歳時には通院はしておらず、D病院に通院していたのは18歳、Eクリニックに通院していたのは21歳と期間が空いていました。 D病院とEクリニックで診断された症状に変化がなければ、20歳時の症状も変わりなかったと証明できるのではと考え、D病院とEクリニックにカルテが残っていないか問い合わせをしました。 しかし、D病院ではカルテが残っておらず、Eクリニックではカルテは残っていましたが、診断名が付く前に通院を中断してしまったため、診断書が書けないという回答でした。 そのため事後重症請求する方針となりました。 初診で受診した病院と、現在通院中の病院は、どちらもA病院であるため、初診日の証明は提出不要です。そのため診断書のみ作成していただくよう依頼させていただきました。 その他必要書類を揃え提出し、2ヶ月ほどで障害基礎年金2級決定に至りました。 |
決定した年金 | 障害基礎年金2級 |
年金額 | 81万円 |